結納は、日本の伝統的な婚約の儀式であり、男性側と女性側がお互いに贈り物を交換することで、結婚の約束を固める重要な行事です。男性側が準備する結納品には、地域や家族の慣習によって異なる部分がありますが、一般的な流れとしては以下のようなものがあります。
男性側が準備する結納品の一例
- 風呂敷(ふろしき)
結納品を包んで持参する際に使用します。伝統的な柄や家紋が入ったものを選ぶと良いでしょう。 - 手土産(てみやげ)
女性の家を訪問する際に持参するもので、3000円から5000円程度の価格帯の品が相場です。縁起の良い物や地元の特産品などが選ばれます。 - 記念品
交換がある場合、男性から女性に贈る婚約指輪や、女性から男性に贈る腕時計などがあります。 - 家族書・親族書
交換する場合、家族の名前や親族関係を記した書類を用意します。
結納品の具体的な内容と意味
目録(もくろく)
結納品の納品書のようなもので、品目と数を箇条書きにした文書です。
熨斗(のし)
不老長寿の象徴とされる縁起物で、あわびのしとも呼ばれます。
金宝包(きんぽうづつみ)
結納金を指し、昔は帯地や着物を贈っていたことから、関東では「御帯料(おんおびりょう)」とも呼ばれます。
末広(すえひろ)
白無地の扇子で、「末に広がり、繁栄する」という意味が込められています。
友白髪(ともしらが)
白い麻糸を白髪に見立てたもので、夫婦円満と長寿を願う品です。
昆布(こんぶ)
子宝に恵まれるようにという願いが込められており、「よろこぶ」という言葉遊びもあります。
するめ
お嫁さんが末永く嫁ぎ先に留まるようにという意味が込められています。
かつお節
永遠を意味する保存食で、勝男武士(かつおぶし)とも呼ばれます。
結納の準備と進行のアドバイス
結納の形式
まずは、結納をどのような形式で行うかを決めます。関東式や関西式など、地域によって異なる慣習があるため、両家で意向を擦り合わせることが大切です。
結納品の選び方
結納品は百貨店や専門店、オンラインショップなどで購入できます。品物にはそれぞれ意味が込められており、縁起の良い漢字が当てられている品も多いです。
日取りと場所
結納の日取りは両家全員の都合を踏まえて決めます。場所も両家の意向を確認した上で決定し、料亭やホテルなど様々な選択肢があります。
服装
両家で話し合い、服装の格を合わせることが重要です。どちらかが正装で、もう一方が略装だと気まずい思いをする可能性があるためです。
結納は、両家が新しい絆を結ぶ大切な儀式です。伝統を重んじつつ、現代のライフスタイルに合わせた形で行う家庭も増えています。大切なのは、両家が心を込めて準備し、お互いの幸せを願うことです。結納を通じて、これから始まる夫婦生活の基盤を築いていくことができるでしょう。結納の準備には時間がかかることもありますので、余裕を持って計画を立てることをお勧めします。また、不明点があれば専門家に相談するのも一つの方法です。結納を通じて、両家が幸せなスタートを切れるように、心を込めて準備を進めましょう。